勃起不全を引き起こす病気
肉体的な問題によって起こる勃起不全の原因には、糖尿病、前立腺肥大症、前立腺炎など、様々な誘発因子があります。
糖尿病は、血液中のブドウ糖濃度(血糖値)が高くなった際に、血糖値を下げる働きのあるインシュリンが分泌されない、または分泌量が極端に少ないために、血糖値が高い状態のまま、それをコントロールする事ができなくなっている状態です。
糖尿病になると、高血糖の状態が長く続くために、細い血管への血流が悪くなるため、周囲の神経細胞が必要とする酸素や栄養分が供給されにくくなっていきます。
そのため、次第に血管や神経が損傷したり、損傷したまま修復されなくなっていきます。
そのような事から、糖尿病になると、高い割合で勃起不全を引き起こすようになると言われています。
前立腺肥大症は、前立腺の組織が肥大化して、尿道を圧迫するようになるために、頻尿、尿漏れなどの排尿障害が起こるようになる病気です。
勃起不全との直接的な関係は無いと言われていますが、排尿痛や射精痛が発生する場合があり、その痛みから性に対する興味関心が希薄になり、勃起不全を引き起こす場合があります。
また、前立腺肥大症の治療によって、陰茎の周囲の血管や神経が傷付いてしまう事で、勃起不全に至る場合もあります。
前立腺炎は、前立腺に細菌が感染していたり、下腹部の圧迫や骨盤周囲のうっ血などから、前立腺の組織に腫れや充血などの炎症が生じている状態です。
前立腺炎になると、下腹部から強い痛みが生じるようになり、勃起した時や射精した時に痛みが起こる場合があり、その痛みへの不安から、射精する頻度が徐々に少なくなるなどして、男性機能が低下するようになる事があります。
また、前立腺炎になると、精液の大半を占めている前立腺炎を分泌する働きが低下する事があり、それによって性欲が衰えたり、勃起不全を招く場合があります。
他にも、高血圧、高脂血症、動脈硬化、不整脈、心不全、狭心症といった心臓や血管に関わる疾病によって、勃起不全が引き起こされる場合もあります。